- 息切れ(動いた時に息が切れる、呼吸が苦しくなる)
- 運動時の息切れは通常でも自覚しますが、心不全の患者様は、健常者では問題のないような軽い動作で呼吸苦を感じます。休むと改善することもあり、加齢によるものと見過ごされがちです。
疑われる疾患 心不全、心臓弁膜症、エコノミークラス症候群、貧血など 必要な検査 血液検査、心電図、心エコー検査、胸部X線など - 動悸(胸がドキドキする、脈が飛ぶ)
- 走った後のように胸がドキドキする、心臓の鼓動が強く聞こえる、脈が飛ぶ、胸が一瞬詰まる感じがする、などの症状を一般的に動悸、と表現します。突然起きて、気付くと治まっていることも多く、実際の受診時には症状が出ていないため検査をしても原因が分からない、症状がある時に受診してほしい、などと言われ、薬の処方や治療を受けられず、長年症状に困っておられる方も多いようです。
疑われる疾患 不整脈、期外収縮、心房細動、甲状腺機能亢進、貧血など 必要な検査 心電図、心エコー検査、24時間心電図(ホルター)、血液検査など - 胸痛(胸や背中の痛み)
- 突然胸が痛くなる、締め付けられるような痛み、背中の強い痛みなどは、心臓や血管の病気でよく見られる症状です。奥歯が痛くなる、左肩や左腕がだるくなる、などは重症の狭心症の患者さんに特徴的に見られる症状です。30分以上続く冷や汗を伴う胸痛が生じた際には心筋梗塞の恐れもあります。肺塞栓や大動脈解離など命に関わる危険な疾患の可能性もある症状であり、早めの受診をご検討ください。
懸念される疾患 狭心症、心筋梗塞、肺塞栓、大動脈解離、心不全、心房細動など 必要な検査 心電図、血液検査(トロポニン心筋梗塞迅速検査)、心エコー検査など - 失神(気を失う、目の前が暗くなって意識が遠のく)
- 失神とは、脳血流の低下による一過性の意識消失発作であり、その多くは起立性低血圧(立ちくらみ)や、副交感神経反射(迷走神経反射)に伴う良性のものですが、中には下記のような心臓や脳を原因とする各種疾患による重症かつ危険な失神発作があるため注意が必要です。
懸念される疾患 ペースメーカーを必要とする徐脈、致死的心室性不整脈、重症の大動脈弁狭窄症、高度の頸動脈狭窄(閉塞)症 必要な検査 心電図、血液検査、エコー検査(心臓、頸動脈)、24時間心電図(ホルター)など - 足のむくみ、痛み、しびれ、冷え
- このような足の色々な症状は、血行不良(動脈閉塞、静脈血栓など)から来る場合に加え、腰椎から出てくる神経の障害で起きる場合もあります。どこの科に受診すればいいのか分からない、整形に行ったけど何とも無いと言われた、などというケースが多いようです。一つずつ検査を進めて、原因を調べていく必要があります。
懸念される疾患 閉塞性動脈硬化症、静脈血栓症、心不全、腎不全、貧血など 必要な検査 血液検査、エコー検査(心臓、下肢血管)など - 慢性疲労(体がだるい、疲れやすい)
- 体のだるさは様々な疾患から生じます。上記の息切れと同様、加齢によるものとして見過ごされがちであり、なかなか改善しない場合や長く続く場合には、検査が望ましいと思います。
懸念される疾患 心不全、心臓弁膜症、腎不全、肝障害、貧血、甲状腺疾患、睡眠時無呼吸症候群など 必要な検査 血液検査、心エコー検査、睡眠時無呼吸検査(アプノモニター)など - 健診結果の異常
- 職場や市町村の健康診断で、心電図異常、心雑音などを指摘された場合には、心臓血管疾患に関する二次健診を受けましょう。
危惧される疾患 心肥大、心臓弁膜症、狭心症、不整脈、心不全など 必要な検査 心電図、心エコー検査、24時間心電図検査(ホルター) - 高血圧
- 高血圧は無症状の方も多いですが、中には頭痛やふらつき、肩の詰まる感じなどを自覚することもあります。日本人の場合には原因の特定できない本態性高血圧症が多いですが、中には腎臓や副腎、甲状腺など各種ホルモンを分泌する臓器の疾患による二次性高血圧が隠れていることもあります。
懸念される疾患 原発性アルドステロン症、甲状腺機能亢進症、腎血管性高血圧症、など 必要な検査 血液検査、尿検査、エコー検査(腎臓、心臓)